利用開始~工数入力ができるようになるまで
概要
このページでは、ユーザーがTimeTracker NXの利用を開始し、工数入力ができるようになるまでの手順を紹介します。
工数入力ができるようになるまでの流れは以下のとおりです。
- ログイン
- プロジェクトの作成
- アイテムの作成
- アイテムへの担当者割り当て
1. ログイン
ユーザーは、システム管理者から連絡されたアクセス用URLとログイン情報(ログイン名とパスワード)をあらかじめ確認しておいてください。
指定されたURLに、ブラウザからアクセスします。
ログイン画面が表示されるので、ログイン情報を入力してログインします。
2. プロジェクトの作成
工数入力を開始するためには、その基となるアイテムと、そのアイテムが含まれるプロジェクトをまず作成する必要があります。
そこで、まずプロジェクトを作成します。
TimeTracker NXでは、以下のように任意の業務範囲をプロジェクトとして自由に定義できます。
- 開発案件単位や実際のプロジェクトの単位に合わせる。
- 定常業務であれば年度ごとにプロジェクトを作成する。
次のリンクの動画(1つ目)を参照ください。: 「プロジェクトの新規作成」
2.1. プロジェクトの操作手順
-
TimeTracker NXのグローバルナビで「プロジェクト」をクリックする。
-
プロジェクト一覧の上部にある「新しいプロジェクト」をクリックする。
-
「プロジェクト作成 ‐ 基本情報」ダイアログで、プロジェクト情報を入力する。
-
「次へ」ボタンをクリックする。
-
プロジェクトのメンバーを以下の手順で追加する。
- 「+」ボタンをクリックする。
- 「ユーザーの選択」ダイアログで、対象とするユーザーをチェックする。
- 「OK」ボタンをクリックする。
-
「次へ」ボタンをクリックする。
-
プロファイルを以下の手順でプロジェクトに適用する。
プロファイルとは。あらかじめプロジェクトの設定項目をまとめて定義したものです。
プロジェクトにプロファイルを適用することで設定情報(フィールド定義、ステータス定義など)をまとめて反映でき、
個別のプロジェクトにおいてその都度設定を行う必要がなくなります。- 適用するプロファイルを含むカテゴリを選択する。
- 選択したカテゴリに含まれているプロファイルの一覧から、適用するプロファイルを選択する。
-
「完了」ボタンをクリッ クする。
プロジェクトに参加するユーザー(プロジェクトメンバー)もあらかじめ設定しておきます。
2.2. プロジェクト作成時の注意点
メンバーを必ず設定する
実際にWBSを作成してアイテムにメンバーを割り当てようとしたとき、「割り当てられるメンバーが見当たらない」というお問い合わせをよくいただきます。
これは、プロジェクトのメンバーが設定されていないことが原因です。
アイテムへのリソース割り当ては、プロジェクトに設定されているメンバーから選択する仕組みになっています。
新しくプロジェクトを作成する際、メンバーだけは必ず設定しておきましょう。
もちろん、後でメンバーを追加することもできます。
3. アイテムの作成
次は、作成したプロジェクトに個々の作業(アイテム)を追加していきましょう。
工数を区別して集計したい単位でアイテムを設定するのが最も一般的な方法です。
例えば、以下の単位でアイテムを作成することで、簡単に工程別や成果物別に工数を集計できます。
- 工程単位: 「仕様」「設計」など
- 成果物単位: 「設計書」「XXプログラム」など
3.1. アイテムの操作手順
-
アイテムを追加する先を選択する。
-
追加するアイテムのアイテムタイプをリストから選択する。
-
追加するアイテムの名前を入力する。
-
Enterキーを押す。もしくは「+」ボタンをクリックする。
パッケージとは、アイテムをまとめた単位になります。
- 階層を設けることで、下位アイテムの工数の集計値が自動的に上位階層にも反映されるので大変便利です。
- 3階層や4階層、最大16階層まで階層化することも可能です。
このようなアイテムの階層構造をWBS(Work Breakdown Structure)と呼んでいます。
次のリンクの動画(2つ目と3つ目)を参照ください。: 「プロジェクトの新規作成」
3.2. WBS作成時の注意点
ここから、WB作成時の注意点をご説明します。
シンプルなWBSから始める
WBSの粒度、つまりどこまでWBSのアイテムとして定義すべきかわからないという質問をいただきます。
WBSの粒度を決めるということは、以下に繋がる大事なステップです。
- 「適切な工数管理・プロジェクト管理」
- 「メトリクス指標の管理」
- 「標準プロセスの構築」
最初はシンプルなWBSから始めて管理を試行し、だんだん必要な粒度まで詳細に定義して運用できるようにしていくのが確実です。
一般的なWBSでは、以下のパターンがあります。
- 工程やプロセスに基づいて定義するパターン
- 成果物に基づいて定義するパターン
以下のWBSを見てみましょう。
-
例1: 工程に基づいたWBS
例1は決められた工程に基づいてWBSを作成しています。
「基本設計」「詳細設計」など各工程の作業をそれぞれシンプルに1アイテムとしています。 -
例2: 成果物に基づいたWBS
例2は成果物に基づいてWBSを作成しています。
各成果物に基づき、それに関連する作業の工数を管理できるようにしています。
試行運用の最初の段階から内容を詳細に定義し完璧なWBSを作成しても、なかなかうまくいきません。
まずは工程や成果物に応じてアイテムを設定し、この粒度で工数や進捗を管理できるようにするところから始めてみてはいかがでしょうか。
WBSのノード数は多くても数十から100程度にする
プロジェクトの規模は業務内容によって様々です。
(数名で1ヵ月程度のものもあれば、数十名で何年にもわたって続くものもあります)
実際のプロジェクトとTimeTracker 上でのプロジェクトを一致させるのが最もシンプルで管理しやすいです。
ポイントは以下です。
-
大規模なプロジェクトで期間が2, 3年以上となると、情報量が膨大になり以下の問題が発生します。
- 短期的な遅れが埋もれてしまって進捗管理がしづらくなる
- 全体の把握や計画変更が手間のかかるものになる。
-
WBSは多くても100ノード程度に収まるよう、以下の観点でプロジェクトを分けるとよいでしょう。
- フェーズや開発案件グループ
- 年度や年・月・四半期など の期間
3.3. 標準WBSを活用する
正式運用において有効なのが標準WBSです。
標準WBSを定めて置くことで、以下を未然に防止できます。
- 各プロジェクトでバラバラなWBSを作ってしまう。
- 管理の粒度がまちまちになる。
- 作業に漏れが出てしまう。
以下のユーザー様にお勧めです。
- 既に作業が標準化されている
- プロセスが整備されている
- 集計・分析すべきものが明確になっている
実際の活用方法は、次のリンクを参照ください。: 「テンプレートからWBSをコピーする」
これから工数管理を始めるため作業自体の検討もこれからという場合は、運用が進んでいくにつれて検討してください。
以下で標準WBSを実際に作成して運用している例を紹介します。
例1:標準WBSとプロジェクト別の項目を併用して運用する
エンジニアリング工程の作業について、以下の方法で作成します。
- 一定階層までのWBSを標準WBSとして作成し、それを各プロジェクトに適用します。
- 標準WBS以下の階層は、各プロジェクトにおいて見積もり時に作成する作業項目一覧からコピーして適用します。
これにより、WBSの標準化と各業務に適用し、以下のように分けて管理できます。
-
組織定められたデータ:標準WBS
-
プロジェクトの詳細な活動:個別の作業項目
例2:プロジェクトを横断して分析するための項目を設定する
プロジェクトを横断して集計や分析を実施するために、標準WBSの各タスクに「作業分類」の項目を設定して運用します。
具体的には、以下です。
- TimeTracker で標準に用意している「作業種別」に、「作業」「レビュー」「手戻り」などを各アイテムに設定しておきます。
- プロジェクトの構成に依存せずに「作業種別」ごとの集計がプロジェクトを横断して可能になります。
- 例えば工程別のレビュー比率や手戻り比率といった作業の品質に関するデータが把握できます。
以下は「作業分類」で分析する場合の設定例です。
3.4. アイテム作成時の注意点
WBSを作成するときに陥りがちなのが、
「作業の定義に万全を期すことを重視しすぎたために細かくなりすぎてしまう」
ことです。
漏れがないことは重要ですが、以下の問題もありますので、実運用と管理上の要求のバランスを見ながら作成する必要があります。
- 必要以上に作業を細かく定義してしまうと、かえってプロジェクトの運営がやりにくくなる。
- プロジェクト計画のメンテナンス性や工数入力の効率性にも影響を及ぼします。
本章では、アイテム作成時の注意点を記載します。