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2. プロジェクトを作成する

概要

このページでは、TimeTracker で工数管理を始めるために、プロジェクトを作成する考え方を紹介します。

実績工数を入力するには、入力先となるプロジェクトとワークアイテムが必要です。
プロジェクト、ワークアイテム、リソース割り当てを準備することで、メンバーは自分の担当作業に対して工数を入力できるようになります。

詳細な操作手順について

このページでは、導入時の考え方と判断ポイントを中心に説明します。
プロジェクト作成やワークアイテム作成の詳しい操作は、関係する説明の中で案内するマニュアルを参照してください。

このステップの目的

このステップの目的は、工数入力を始める前に、メンバーが迷わず入力できる場所を用意することです。
TimeTracker では、プロジェクトとワークアイテムを使って実績工数を管理します。

  • プロジェクト:工数を管理、集計したい業務範囲です。
  • ワークアイテム:実績工数を入力する作業単位です。
  • リソース割り当て:どのメンバーがどのワークアイテムに工数を入力できるかを決める設定です。

導入初期は、管理しやすさよりも、まずメンバーが毎日入力できることを優先します。
入力先が分かりにくいと、入力漏れや入力先のばらつきが起こりやすくなります。

このステップで実施すること

実績工数を入力できる状態にするために、以下を準備します。

  1. 工数を管理したい単位でプロジェクトを作成する
  2. 実績工数の入力先となるワークアイテムを作成する
  3. ワークアイテムに担当者を割り当てる
  4. 割り込み作業や予定外作業の入力先を用意する

プロジェクトの単位を決める

プロジェクトは、工数を管理、集計したい業務範囲に合わせて作成します。
例えば、以下のような単位が考えられます。

  • 開発案件単位
  • 製品、サービス単位
  • 部門業務単位
  • 年度や四半期などの期間単位

プロジェクトの単位は、後から工数を見たい単位と合わせることが重要です。
一方で、細かく分けすぎると、メンバーが入力先を探しにくくなります。

導入初期は、次のような観点で決めると運用しやすくなります。

  • 誰がプロジェクトを管理するかが明確である
  • メンバーが自分の作業対象を見つけやすい
  • 集計したい単位と大きくずれていない
  • 長期間続く業務は、年度や期間で分けるかを事前に決めておく
    注意

    保守作業用のプロジェクトなど、長期間にわたる場合は『XX年度 YY案件保守』のように年度ごとにしてください。

詳細は以下を参照ください。

ワークアイテムの粒度を決める

ワークアイテムは、メンバーが実績工数を入力する単位です。
工程単位、成果物単位、業務単位など、入力しやすく集計しやすい粒度で作成します。

代表的な WBS の作り方は、以下の2つです。

作成する単位利用ケース作成単位
工程単位工程単位の WBS は、作業の流れに沿って工数を確認したい場合に向いています。
工程ごとの工数を把握しやすいため、工程別の見積もり精度を改善したい場合に有効です。
要件定義、基本設計、詳細設計、実装、テスト
成果物単位成果物ごとの作業量や進捗を確認したい場合に向いています。
仕様書、設計書、プログラム、テスト仕様書、マニュアル

詳細は以下を参照ください。

導入時に考えておくこと

シンプルな WBS から始める

導入初期から細かい WBS を作り込みすぎると、運用が難しくなります。

よくある問題は、以下のとおりです。

  • メンバーがどのワークアイテムに入力すればよいか迷う
  • 作業のたびに入力先を探す手間が増える
  • 計画や進捗のメンテナンスに時間がかかる
  • 細かすぎるため、集計しても判断に使いにくい
現場から上がってくるよくある不満

『あれもこれも使いこなそうとしてしまい、上手く運用できない』
『一度にいろいろなことを実現しようとしたところ、結果につながらずに「使えない」と感じる』

まずは、以下のようにシンプルな WBS から始め、運用しながら必要な粒度に見直すことをお勧めします。

  1. 「規模進捗」や「ユーザー入力値」を用いたシンプルな進捗の管理
  2. スケジュールの予実管理
  3. アーンドバリューを活用した進捗管理、スケジュール管理

ワークアイテム数を多くしすぎない

プロジェクト内のワークアイテム数が多くなるほど、入力と管理の負荷が上がります。
大規模なプロジェクトでは、『プロジェクトを分ける』、『フェーズで区切る』、『年度で区切る』など、管理単位を見直してください。

目安として、メンバーが日々のタイムシートで迷わず選べる数に抑えることが大切です。

標準 WBS は必要になってから整備する

標準 WBS を用意すると、プロジェクトごとの WBS のばらつきを抑え、集計や比較がしやすくなります。

下記の例は以下です。

  • 左側:標準WBSと、各工程の作業項目の一覧があります。
  • TimeTracker では、標準WBSの下に作業項目の単位でワークアイテムを作成します。
ヒント

導入初期に必ず標準 WBS を作る必要はありません。
まずは実際のプロジェクトで工数入力を始め、よく使う構成や集計したい観点が見えてから標準化すると、現場に合ったテンプレートにしやすくなります。
例)標準 WBS とプロジェクト固有の項目を組み合わせると、共通部分を標準化しながら、個別プロジェクトの作業も管理できます。

プロジェクト横断で分析したい観点を決めておく

複数プロジェクトの工数を横断して分析したい場合は、ワークアイテム名だけでなく、
作業分類や工程分類などの項目を使うと集計しやすくなります。

例えば、レビュー、手戻り、問い合わせ対応などの作業分類を設定しておくと、プロジェクトをまたいだ改善活動に活用できます。

ヒント

プロジェクトの構成に依存せずに「作業種別」ごとの集計がプロジェクトを横断して可能になります。
例)工程別のレビュー比率や手戻り比率といった作業の品質に関するデータが把握できます。

運用ルールを決めておく

プロジェクトや WBS を作成する際は、あらかじめ運用ルールを決めておくと、利用開始後の迷いやばらつきを減らせます。

複数のプロジェクトを同じ基準で管理したい場合や、プロジェクトを横断して工数を分析したい場合

プロジェクト名、WBS の粒度、入力ルールなどをそろえておくことが重要です。

導入時に決めておくとよい内容は、以下です。

決めておくこと内容目的
プロジェクトコードの付番ルールプロジェクトコードを体系的に設定するプロジェクト一覧を見やすくし、検索や識別をしやすくする
プロジェクトの粒度案件単位、製品単位、年度単位など、プロジェクトを作成する単位を決める長期間の業務や大規模な業務でも、管理しやすい単位で扱えるようにする
作業指示時の入力先作業を依頼するときに、対応するワークアイテムもあわせて指定する担当者が工数の入力先に迷わないようにする
完了した作業の扱い完了したワークアイテムは「実績入力をロック」するかどうかを決める完了後に誤って工数が入力されることを防ぐ
空き時間の扱い作業の合間の時間を空き時間のままにするか、「外出」「私用」などのワークアイテムに入力するかを決める工数入力の抜けや、入力ルールのばらつきを防ぐ

また、運用が進むと、以下のようなルールも必要になる場合があります。

決めておくこと内容目的
工数入力の月締め処理どのタイミングで工数入力を締めるか、締め後の修正をどう扱うかを決める集計後のデータが後から変わることを防ぎ、月次の確認や報告に使いやすくする
アクティビティ、プロジェクトカテゴリの体系プロジェクトや作業を分類するための項目を整理するプロジェクト横断での集計、分析に活用する
標準 WBS の適用方針すべてのプロジェクトに標準 WBS を適用するか、必要なプロジェクトだけに適用するかを決めるプロジェクトごとの WBS のばらつきを抑え、比較や分析をしやすくする
ヒント

導入初期からすべてのルールを細かく決める必要はありません。
まずは、工数入力に直接関係する「プロジェクトの粒度」「作業指示時の入力先」「入力先がない作業の扱い」から決めると、利用開始後の混乱を減らしやすくなります。

決めたルールは、管理者やリーダーだけでなく、実際に工数を入力するメンバーにも共有してください。
ルールの意図を共有しておくことで、入力先のばらつきや入力漏れを防ぎ、後から集計、分析しやすいデータを蓄積できます。

リソース割り当ての考え方

ワークアイテムを作成しただけでは、メンバーはそのワークアイテムに工数を入力できません。
ワークアイテムに担当者をリソースとして割り当てることで、対象メンバーが工数を入力できるようになります。

リソース割り当ては、必要な範囲に絞ることが重要です。
  • 実際に作業するメンバーを割り当てる
  • 作業する可能性が高いワークアイテムに絞って割り当てる
  • 担当が未確定の作業は、運用担当者が後から追加できるようにしておく

全ワークアイテムに全メンバーを割り当てると、タイムシートに表示される候補が増え、入力先を探しにくくなります。
操作は簡単になりますが、日々の入力画面が見づらくなるため注意してください。

アイテムに担当者を割り当てる

ワークアイテムを作成したら、実際に作業するメンバーを担当者として割り当てます。
担当者を割り当てることで、メンバーはタイムシートで対象ワークアイテムを選び、実績工数を入力できるようになります。

基本的な流れは、以下です。

  1. プロジェクト画面で、担当者を割り当てるワークアイテムを選択する
  2. リソース割り当ての画面を開く
  3. 対象メンバーを追加する
  4. 必要に応じて、計画工数や担当期間を確認する
  5. 保存して、メンバーのタイムシートに表示される状態にする

詳しい操作は、メンバーにアイテムを割り当てるを参照してください。

よくあるつまずき・注意点

入力先がない作業をどう扱うか決めていない

導入直後によく起こるのが、予定外の作業や割り込み作業の入力先がない状態です。

例えば、以下のような作業です。

  • 突発的な作業
    • 問い合わせ対応、障害対応、調査
  • よくある作業
    • 会議、レビュー、管理作業

入力先がないと、メンバーは入力を後回しにしやすくなります。
「割り込み作業」「問い合わせ対応」「その他」などの入力先をあらかじめ用意しておくと、入力漏れを防ぎやすくなります。

ヒント

割り込み作業の比率も改善の材料になります。

  • 割り込み作業を専用のワークアイテムに入力できるようにしておくと、後からクイックレポートや分析機能で比率を確認できます。
  • 割り込み作業が多い場合は、WBS の見直しや業務プロセスの改善につなげられます。

WBS の粒度を細かくしすぎる

「漏れなく管理したい」という理由で最初から細かく分けすぎると、入力が定着しにくくなります。 導入初期は、次の順番で見直してください。

  1. メンバーが迷わず入力できているか
  2. 集計した結果が判断に使えるか
  3. 不足している分類や作業単位があるか

不足が明確になってから WBS を追加すると、現場に説明しやすくなります。

リソース割り当てを広げすぎる

全員に広く割り当てると、タイムシートのワークアイテム候補が増えます。
特に大きなプロジェクトでは、必要な作業を見つけるまでに時間がかかり、入力負荷が上がります。

以下の観点で割り当ててください。

  1. 進捗管理が必要かどうか。
    • 進捗管理をしない作業(例:部署ごとの集会、教育など)は、「コラボレータ」を設定しておくことで、
      ワークアイテムにリソースを割り当てなくても工数を入力できます。
    • リソース負荷などメンバごとの負荷状況を管理したい場合はリソースを割り当てます。
  2. 一度にすべてを割り当てない。
    まずは担当が明確な範囲に絞って割り当て、追加が必要な場合の連絡先を決めておくと運用しやすくなります。

次のステップ

プロジェクト、ワークアイテム、リソース割り当てを準備できたら、次は実績工数の入力を定着させます。