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バージョン: 5.5

NX 使用時の注意点

概要

TimeTracker NXでは、旧バージョンから機能の仕様が変更されたり操作感が変わったものがあります。
これらの点にはご利用上注意が必要になります。
その内容について個別に紹介しますので、Web版ご利用上の参考にしてください。

1. 用語の変更

TimeTracker NXでは、これまでのTimeTracker FXで使用していた用語が以下のように異なります。

TimeTracker FXTimeTracker NX説明
ノードワークアイテムWBSを構成する要素
タスクパッケージパッケージタスクをまとめる単位のノード 
プランナープロジェクトプロジェクト管理機能の名称
AdministratorAdminシステム管理機能の名称

2. アクティビティから工程分類・作業分類へ

  • TimeTracker FXの場合
    • タスクをプロジェクト横断の横串で集計するためのものとしてアクティビティがありました。
    • 5つのアクティビティカテゴリについて、システム単位で定義したそれぞれの選択肢(アクティビティ)をタスクに
      設定することで、プロジェクトをまたいでアクティビティ単位の工数集計が可能でした。
  • TimeTracker NXの場合
    アクティビティに替わるしくみとして「工程分類」と「作業分類」が搭載されました。
    • 1つのタスクで実績工数を分類するためのものになります。
    • タスクの既定の設定として工程分類と作業分類を指定することで、アクティビティと同じ使い方ができます。

工程分類・作業分類のメリット

工程分類/作業分類を活用することで、以下のメリットがあります。

  1. 必要な項目だけ選択リストに表示
    従来のアクティビティではシステムで定義された項目がすべて選択リストに含まれていたため、
    部署ごとのアクティビティを多数定義しているような場合はリストが膨大になり、タスクへの設定が大変煩雑でした。

    工程分類・作業分類では、システムで定義された項目のうちプロジェクトで使用する項目が選択できます。
    必要な項目だけが選択リストに表示されるので、これまでの煩雑さが解消されます。

  2. タスクより細かい個別の実績工数単位で工程分類・作業分類が設定可能
    同一タスクでも、工程分類と作業分類を区別してより詳細に集計することが可能です。

  3. シンプルなWBS構成を実現
    タスクを必要以上に増やすことなく、シンプルなWBSでありながら工程分類・作業分類を活用して
    詳細な工数分析が可能になります。

    • これまで
      「設計」というパッケージに「設計書作成」「設計レビュー」「設計レビュー指摘修正」というようなタスクを作成していた
    • これから
      「設計」タスク1つだけで同様の工数集計が可能です。「レビュー」「指摘修正」などの区別は作業種別で行います。

注意点

バージョンアップの際、従来のアクティビティのデータは工程分類と作業分類に移行されます。
ただし、最大2つのアクティビティカテゴリまでしか移行できません。
バージョンアップ時の指定により、どのアクティビティカテゴリと工程分類・作業分類を紐づけるかが指定可能です。

3. タイムシートへの予定インポート

OutlookやNotes、サイボウズといったスケジューラーの予定表のタイムシートへのインポートは
TimeTracker NXでも活用可能です。
ただ、利用手順に以下のような違いがあります。

事前設定

  • TimeTracker FXの場合
    OutlookやNotesの場合、連携対象のアプリケーション名を指定するだけで予定インポート機能が利用できました。
  • TimeTracker NXの場合
    事前に連携対象アプリケーションのURLやログイン情報を各ユーザーが設定しておく必要があります。
    詳細は「予定表から取り込む」を参照ください。

4. タスクの階層化

TimeTracker FXでWBSを階層化する際には、「タスクパッケージ」を親ノードとして追加しました。
TimeTracker NXでは、「パッケージ」に加えて「タスク」でも子アイテムを追加してWBSを階層化することができます。
ただし、配下にタスクが存在するタスクでは、実績を入力することができません。
また、タスクの子アイテムにはタスクのみが追加できます。

5. マイルストーンの設定

TimeTracker FX と NX では、マイルストーンについて以下の違いがあります。

  • TimeTracker FXの場合
    ノードの種類として「マイルストーン」がある。(「タスク」「タスクパッケージ」と同じ種別)
  • TimeTracker NXの場合
    「タスク」「パッケージ」関係なく、どちらでも「マイルストーン」に設定できる。

以下のように、対象(タスク、パッケージ)を選択して、右クリックして表示されるメニューから
「マイルストーンに設定」を実行します。

6. プロジェクト編集のUndo/Redo

プロジェクト管理画面上の編集内容は、UndoやRedoができません。
なお、ワークアイテムを削除した場合はプロジェクト管理画面左下の「ごみ箱」から復元が可能です。

7. WBSのコピー

TimeTracker NXではWBSをコピーする場合、「アイテムのコピー&ペースト機能」か「WBSテンプレート機能」を活用します。
詳細は「ワークアイテムを作成する」を参照ください。

8. 値やリソース割り当てを子に反映

  • TimeTracker FXの場合:
    対象のフィールドで決定方法を「親ノードの値」に指定する。
  • TimeTracker FXの場合:
    タスクのフィールドに親と同じ値を設定する場合にまとめて一括で設定することができます。
    対象のアイテムを右クリックして以下を選択することで、対象ノード以下の全ノードに同じ値を設定することができます。
    • 選択フィールドを子に反映
    • 「リソース割り当て」-「リソース割り当てを子に反映」

9. カスタムフィールドの設定

  • TimeTracker FXの場合
    • 標準では用意されていない列(フィールド)を利用するには、これまではプロジェクトごとに
      カスタムフィールドを設定して利用することができました。
    • この制約として、プロジェクトを横断して管理する場合はプロジェクトごとに設定したカスタムフィールド情報を
      利用できないという点がありました。(ピボット分析機能など)
  • TimeTracker NXの場合
    • TimeTracker NXでは、システム全体で定義したカスタムフィールド情報を前提に、
      各プロジェクトにおいて必要なものを選択して利用する形式に変わりました。
    • プロジェクト横断でもカスタムフィールドを活用した進捗確認・プロジェクト評価がやりやすくなりました。

10. ピボット分析

ピボット分析は、TimeTracker FXと同じように集計軸を自在に設定し工数やコストを集計できます。
ここではTimeTracker FXとTimeTracker NXのそれぞれの設定項目一覧を比較することで差異を紹介します。

TimeTracker FX 設定項目一覧

TimeTracker FXでは、出力テーブルごとに集計する項目や集計する単位の粒度が異なります。

No.出力テーブル集計項目推移表示粒度
1プロジェクト実績工数・実績コストプロジェクト
2タスク実績工数・実績コストタスク
3プロジェクト×アカウント実績工数・実績コストプロジェクト
4タスク×アカウント実績工数・実績コストタスク
5メモ実績工数・実績コストタスク
6リソース負荷計画工数・計画コスト・実績工数・実績コストプロジェクト
7プロジェクトサマリ計画工数・計画コスト・実績工数・実績コスト×プロジェクト
8すべてのタスク計画工数・計画コスト・実績工数
・実績コスト・計画成果量・実績成果量・カスタムフィールド
×タスク

TimeTracker NX 設定項目一覧

TimeTracker NXには、以下の2つの出力テーブルがあります。

No.出力テーブル集計項目推移表示粒度
1工数とコスト実績工数・実績コスト・計画工数・計画コストフォルダ(パッケージ)
2すべてのデータカスタムフィールド含むフィールド(※)×タスク

※詳細は「利用可能なフィールド」をご参照ください。

また、TimeTracker NXでは以下の機能が利用できません。

  • 集計したデータのグラフ化
  • ビュー設定のインポート・エクスポート

11. Excel連携アドイン

Excel連携は、TimeTracker FXと同じようにワークアイテムの情報をExcelにインポートしたり、
Excel上のデータをワークアイテムにエクスポートすることができます。
ここでは、TimeTracker FXとTimeTracker NXの差異についてご紹介します。

  • TimeTracker FX の場合
    Excel連携の際に、TimeTracker NXのプランナー画面を表示しておく必要がありました。
  • TimeTracker NX の場合
    プロジェクト画面を表示しなくてもそのまま連携機能を利用できるようになりました。

TimeTracker FXと同じ機能でも、その機能を実行するExcelリボン上のメニュー名が変更されているものがあります。
以下の表は、TimeTracker NXでの機能(Excelリボン上のメニュー)とTimeTracker FXとの対応関係を示しています。

機能一覧表

No.機能FXに該当する機能詳細説明
1インポートなしTimeTracker NXのデータをインポートして新しい表を作成します。既存の表を指定した場合は、表の末尾にデータをインポートします。
2最新データを取得インポート
3データを反映エクスポート
4Webで開く開く対象のワークアイテムをブラウザ上に表示します。
5表を選択表を選択
6接続情報なしTimeTracker NXと連携するための接続情報を設定します。
7コメントを削除コメントを削除
8更新データをコメントに追加更新データをコメントに追加
TimeTracker FXのExcel連携で利用していた帳票

NXでそのまま利用することができません。データの関連付けを変更する必要があります。

12. Web版・デスクトップ版併用について

TimeTracker NXでは、新しいWebアプリケーションと従来のデスクトップ版アプリケーションを併用することが可能です。
併用する場合、データは自動的に連携されます。
ここでは、Web版とデスクトップ版を併用する場合に注意すべき点について説明します。

Web版・デスクトップ版のどちらかで実績を入力してください。

Web版とデスクトップ版のDBは別であり、片方が変更された時にもう片方のデータを更新します。
両方のDBに対して別の変更がされた場合、DBの整合が取れなくなるトラブルが起こるため、
以下の運用をお勧めいたします。

  • タイムシート:ユーザーによりWeb版/デスクトップ版のどちらかから入力するか決める。
  • プロジェクト:プロジェクトにアクセスするのはWeb版/デスクトップ版のどちらからにする。

タイムシートの注意点

  1. 工程分類・作業分類の値
    • 工程分類・作業分類はWeb版固有のデータです。デスクトップ版では定義することができません。
    • デスクトップ版で変更した作業実績をWeb版に同期すると、Web版の工程分類・作業分類の値が
      初期値(Web版のタスクに定義した既定の工程分類・作業分類)になります。
  2. 工数入力対象ノード(ワークアイテム)
    デスクトップ版とWeb版では、工数入力対象のノード(Web版ではワークアイテム)の種別について以下の差異があります。
    • デスクトップ版:タスクのみ
    • Web版:WBSの末端にあるタスクまたはマイルストーン
      Web版で実績工数を入力したマイルストーンは、デスクトップ版ではタスクとして表示されます。

プロジェクト画面の注意点

  1. Web版とデスクトップ版では、片方が編集している場合はもう一方の編集を禁止(ロック)します。

  2. マイルストーンに設定した値
    デスクトップ版とWeb版ではマイルストーンの扱いが以下のように異なります。

    • デスクトップ版
      ノードの種別の一つとして、マイルストーンはタスクパッケージやタスクとは区別される。
      マイルストーンでは工数や成果量が管理できない。
      プロジェクト上のイベントを定義するもの。
    • Web版
      マイルストーンもタスクの一種となる。
      タスクにマイルストーンの属性を設定することで、マイルストーンとして管理できる。
      マイルストーンにも、工数や成果量や期間が設定可能。

デスクトップ版で変更したマイルストーンをWeb版に同期すると、
Web版のマイルストーンに設定されていた一部の値が以下のように変更されます。

  • 以下のフィールドの値は初期値(0または空)になります。
      計画工数、計画成果量、実績成果量、規模単位、成果物情報
  • 100%未満の進捗率は0になります。

ログイン時のパスワード

Web版とデスクトップ版ではログイン用のパスワードは同期していません。 そのため、Web版のパスワードでは、デスクトップ版にログインできません。(逆も同じです)

ただ、TimeTracker にはActive Directoryと連携することで、ログインユーザーのパスワード管理を省略する機能があります。
Web版とデスクトップ版でそれぞれActive Directoryを有効にしておけばパスワードを共通化できます。

アクティビティの同期

デスクトップ版の「アクティビティ」は、初期設定時にWeb版の「工程分類」「作業分類」とマッピングすることができます。
ただ、5つあるアクティビティのうち2つまでしかマッピングできません。
他の3つのアクティビティについては、カスタムフィールドを用いて以下の方法で同期することが可能です。

  1. Web版のAdmin機能で、カスタムフィールドに以下の設定のフィールドを定義する。

    • システム名:ActivityN (Nは1~5の数字)
    • データの型:単一行テキスト
  2. プロジェクトのプロファイルの設定で、各ワークアイテムのフィールドに手順1で設定したフィールドを追加する。

  3. プロジェクトのプロファイルの設定で、追加したフィールドの選択肢に、デスクトップ版のアクティビティと同じ選択肢を定義する。

  4. デスクトップ版でプロジェクトを編集し、Web版にアクティビティの値を同期する。

サーバー移行時の注意事項

TimeTracker NXの初期設定時に、データ連携の処理を行うプログラムが稼働するサーバー(アプリケーションサーバー)の名前を
Web版のデータベースに登録します。
アプリケーションサーバーを移行したり、サーバー名を変更するなど接続情報が変更されると、
データベースに登録された接続情報と一致しなくなりデータ連携が停止します。

データ連携を再開するにはデータベースを直接修正する必要があるので、サポートチームにご連絡ください。

13. TimeTracker FXからの移行対象データ

TimeTracker NXでは、旧バージョン(TimeTracker FX)で利用していたデータを移行して利用することができます。
移行対象データは以下のとおりです。

移行対象データ

No.カテゴリ種別移行対象備考
1マスターデータアクティビティセットアップ時に工程分類・作業分類とマッピングしたアクティビティのみ移行されます。無効化されたアクティビティも移行対象となります。
2プロジェクトカテゴリTimeTracker NX 4.1以前のバージョンでデスクトップ版・Web版の併用環境を利用している場合は、バージョンアップ時にデスクトップ版のデータがWeb版に移行されます。
3アカウント無効化されたアカウントも移行対象となります。
4組織無効化された組織も移行対象となります。
5役割×役割の体系が異なるため、移行されません。
6プロジェクト情報メンバー削除されたメンバーも移行対象となります。
7タスクタスクとして移行されます。
8マイルストーンタスクとして移行されます。タスクの属性としてマイルストーンであることが設定されます。
9タスクパッケージアウトラインレベル2まではパッケージとして移行されます。それ以外はタスクとして移行されます。TimeTracker NXでは、タスクにも子ノードを追加することができます。
10リソース
11リンク
12実績工数実績工数

各移行対象データの詳細は、以下のとおりです。

■マスターデータ

No.種別フィールド移行対象備考
1システム設定計画工数入力粒度
2実績工数入力粒度
3LDAP連携を有効とするか
4LDAPパス
5AD管理者のログイン名×
6AD管理者のパスワード×
7ログイン時のパスワードを保存可能にするか×
8プロジェクトコードをユニークとするか
9タスクコードをユニークとするか×
10オートメーションで自動ログインを有効にするか×
11標準コスト単価
12通貨記号
13工数入力定着基準×
14操作ログを記録するか×
15サーバタスクの設定情報×
16稼働日の設定
17ライセンス×ライセンス体系が異なります。
18アクティビティ名前セットアップ時に工程分類・作業分類とマッピングしたアクティビティのみ移行されます。
19コード×
20プロジェクトカテゴリ名前
21選択肢のリスト
22アカウント名前
23コード
24ログイン名
25パスワード
26ADログイン名
27実績入力のロック日
28所属組織
29役割×役割の体系が異なるため、移行されません。
NX側で用意されたシステムロール: 「システム管理者」に割当てられます。
30コスト単価
31メモ×
32組織名前
33表示順序×
34組織レベル1~5×

■プロジェクト情報

No.種別フィールド移行対象備考
1プロジェクト名前
2コード
3マネージャ
4組織
5開始日
6終了日
7作成者
8作成日時
9プロジェクトの終了状態
10プロジェクトカテゴリ
11カスタムフィールド×
12フィールド定義×
13カレンダー設定
14標準コスト単価
15メンバーグループ名×
16コスト単価
17閲覧権限×
18編集権限×
19ノード名前
20コード
21計画工数
22実績工数
23計画開始日
24計画終了日
25計画コスト
26実績コスト
27マイルストーンの完了日
28進捗率
29リーダー
30計画成果量
31実績成果量
32規模単位
33成果物情報
34ノードの説明
35必要日数×
36実績入力のロック状態
37期間を固定しているか
38このノードを公開するか×
39タイムシートのガントチャートで表示するか×
40アクティビティセットアップ時に工程分類・作業分類と
マッピングしたアクティビティのみ移行されます。
41リソース割り当て計画工数×
42実績成果量×
43リンクリンクの種類
44リンクの間隔の日数
45リンクの間隔を固定にしているか

■実績工数

No.種別フィールド移行対象備考
1実績工数開始時間
2終了時間
3メモ

14. Web版・デスクトップ版の同期データ

TimeTracker NXでは、新しいWeb版アプリケーションにとともに、従来のデスクトップ版アプリケーション(TimeTracker FX)を
併用することが可能です。
Web版とデスクトップ版のデータはそれぞれ独立しており、運用において随時同期されます。
この同期に関し、注意が必要な点を紹介します。

■マスターデータ

No.種別フィールド同期
(Web版→デスクトップ版)
同期
(デスクトップ版→Web版)
備考
1アクティビティアクティビティセットアップ時にマッピングしたアクティビティと工程分類・作業分類のみ同期されます。
2プロジェクトカテゴリプロジェクトカテゴリデスクトップ版(TimeTracker FX)では30個まで定義できたのに対し、TimeTracker NXでは50個のカテゴリが定義できるようになりました。Web版で定義した31個目以降のカテゴリはデスクトップ版と同期されません。
3アカウントパスワード××パスワードの更新内容は同期されません。それぞれで管理することになります。

■プロジェクト情報

No.種別フィールド同期
(Web版→デスクトップ版)
同期
(デスクトップ版→Web版)
備考
1プロジェクト組織×デスクトップ版で新規にプロジェクトを作成した場合のみ、Web版に反映されます。
2プロジェクトカテゴリプロジェクトカテゴリWeb版で設定した31個目以降のカテゴリはデスクトップ版と同期されません。
3ノードアクティビティセットアップ時にマッピングしたアクティビティと工程分類・作業分類の2つ分のみ、同期されます。
3つ以上同期したい場合は、コチラのページをご参照ください。
4カスタムフィールド××-